「サキナ サカス」のチャリティーブースは毎回大にぎわい(2018年)
Part ② 「 楽しい 」から続けられる。
●――長年、活動を継続できた秘訣はなんですか?
工藤:1つ目は、早田さんの情熱、心意気だと思います。
日頃から「社会の中にサキナがある。だから私たちは社会の役に立つことが大切」と教えてもらっていました。その根底にあるのは「愛」。私たちメンバーのお手本にさせていただいています。
そして、私たちのルーツである故・田中美千代さんも常に社会貢献されていたので、その影響も非常に大きいと思います。
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早田:2つ目は、賛同、応援してくださる方々がいらしたこと。
回数を重ねるたびに、出品してくれる方、活動を広げてくれる方、ボランティア参加してくれる方がどんどん増えました。
また、創業者の奥村会長や浅田盾子さん、高橋社長(コメット電機)、エージェント、マネジャーの皆さんなども大変協力してくださって大きな励みになりました。
そして実は、活動の第一歩を踏み出すことができたのは、現・財団理事長の奥村大亮さんのおかげです。1995年当時、中島公園でのフリーマーケットへの参加は大変厳しかったのですが、大亮さんが関係者に働きかけてくださって実現できたんですよ。
2011年の東日本大震災の際にも、1日も早く開催したい、という私たちの意を汲んでくださって大亮さん経営のショップ「agt」を無料で借りることができ、とても助かりました。
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工藤:3つ目は「楽しいから」――これに尽きます。
商品の集荷や仕分け作業などの事前準備、当日の運営、撤収作業、後日作業などやるべき作業がたくさんあります。しかも全員ボランティアですから手弁当ですが、それでも楽しい。
フリーマーケットって一人でも気ままにできるし、売り上げもあるので基本的に楽しいことだと思います。「サキナ サカス」の場合は、団体で、かつチャリティー目的。人様のために行なうことだからこそのやりがいや楽しさがあるのだと思います。
●――でも皆さん、手弁当での参加で時間もかなり費やして……実は大変な活動なのでは?
早田:それでも「楽しい、またやろう」と思えるのは、きっと、みんな普段サキナで活動して「サキナイズム」が身についているからではないでしょうか。
奥村会長は常々、「個と全体の調和」が大事だと話していました。自分だけの幸せの中に本当の幸せはない、世の中全体を考えなければならない、という意味です。
そうした意識に加え、「常に相手の方に喜んでもらいたい、役に立ちたいと思って行動する」「協力体制が身についている」「自分ができることを精一杯しよう」「なんでも楽しもう」……という人たちが集まったときって、一人ではできない、すごく大きなことができる。それが自分たちの楽しさや充実感につながっているような気がします。
工藤:さらにはみんなが楽しく行動しているので、ご主人たちも準備を手伝ってくれたりお子さんたちも当日会場に一緒に来てくれたり、楽しさの輪がどんどん大きく、にぎやかになっていく感じですね。
Part③に続く
大勢のボランティアスタッフが集まって行なわれる準備作業
いつも出品協力していただいた奥村会長。チャリティー会場にて